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ショートケーキ理論
「私たちの目の前にショートケーキがある」
「あるね」
「ショートケーキのいちご、
先に食べる派、
最後にとっておく派で別れる」
「わかれるね」
「どっち派?」
「先に食べる派」
「私は、最後にとっておく派だ」
「別れたな」
「最初に食べる派は、最初にいちごという
幸福を味わいその幸福で
胸を満たしたままケーキを楽しむ」
「ふむふむ」
「ただ、デメリットとしていちごという
楽しみがなくなったケーキを
ひたすら食べなければならない」
「あら、深刻」
「最後にとっておく派は、
興味のないスポンジ、生クリームという壁を
乗り越えて乗り越えた先にある
幸福を味わう事でより一層
いちごという幸福に満たされる」
「スポンジと生クリームに人権を」
「ただ、デメリットとして
『えっいちご食べないの?
じゃー食べちゃお!』という
『横取り泥棒』に食べられるリスクがある」
「貪欲だな」
「この理論を今の状況に当てはめる」
「おう」
「恋をとるか試合をとるか」
「青春ですね」
「恋をとった場合、
その幸せに満ち足りながら練習もでき
モチベーションは、あがるかもしれない
だが、相手との時間を優先して
練習に打ち込めないかもしれない」
「ふられる事を予想していない」
「試合をとった場合、無駄無く練習に
うちこめる
心が左右されるリスクもない
だが、試合後、告白しようと決断した時には
相手に恋人ができている可能性がある」
「先手をとってく泥棒」
「これまでの経験上、私は、後手にまわっていた
ショートケーキのいちごも取られ
今、未来の恋人も取られるリスクを背負っている」
「壮大だな」
「なので、今回は、先手を取ろうと思うのだ」
「生まれ変わるチャンス」
「なので、私と付き合って」
「いいよ」
「ずるくない?」
「俺、ショートケーキも恋も先手派だから」
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