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布団に入り何の気なしにスマートフォンを触っていると、ブルッっと手にバイブレーションが伝わってきた。
SNSのメッセージが届いたのだ。
差出人は隣の家に住む幼馴染の彼女だった。
要件は今から一緒にゲームをしたいから、準備ができたらパソコンの通話ソフトで電話をかけてほしいとのことだ。
僕はチラッと壁にかけられた時計を見やる。
時刻はすでに午前2時を過ぎていた。
明日は平日で学校もある。これ以上起きていたら寝坊してしまうかもしれない。
どうしたものかと迷っていると、再び彼女からのメッセージが届く。
僕は、彼女からのマダなのかという催促に少しだけならと返信し、パソコンをスリープ状態から復帰させる。
ヘッドセットを装着し通話ソフトから彼女の連絡先に電話をかける。
しかし、彼女は電話に出ない。
何をしているのかと考えていたら既定コール数に達し自動的に呼び出しが止まってしまった。
画面には応答なしと、ログが表示されている。
これで出なかったら寝てやると思いながら僕はもう1回彼女に電話をかける。
すると今度はスリーコールほどで彼女と繋がった。
一瞬サーッという小さいホワイトノイズが聞こえたあとに、彼女の声が聞こえた。
「ごめんごめん、飲み物取りに行ってた」
急いで取りに行っていたのか少し息が切れていた。
「別にいいけど。何やんの」
若干ぶっきらぼうに聞くと、彼女はゲームだけどと答える。そういうことじゃない。
「ちげーよ、何のゲームやるのか聞いてんだって」
さっきよりも、もう少し乱暴な口調になる。
彼女は話の流れが読めないというか、少し察しが悪い。
「あー、この前買ったあのゲームとかどう?」
「それ、1戦あたり最大90分かかる超絶ムズゲーじゃん。嫌だよ」
一刻も早く寝たいのにそんなに長いゲームはやっていられない。終わる頃には東の空が明るくなってしまう。
「じゃあ、あのパズルゲームは?」
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