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「逃げないで、下さい」
耳元で囁かれる言葉に身体が動かなくなり立っていると社長は身体を離すと私の両頬を包み込んだ。
「・・・好きです、芽衣さん。」
近付いてくる整った顔から逃れようとしたが、両頬を包み込まれてるせいか顔を動かせず唇に柔らかいモノが触れた。
暖かくそれでいて冷えている唇に社長の緊張が嫌というほど分かり逃れられなくなる。
社長の好きは男女の好きじゃなくて、子供が親に愛情を求めてるようなもので、たまたま社長の傍に居た私にその愛情が向けられているだけで・・・本当は私の事なんか・・・・・・。
そう考えると胸の奥が痛んで唇に触れている暖かさから離れたくなり出来る限りの力で社長の胸を押し返した。
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