3/4

91人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
ちょうど一年ほど前に、仕事を辞めてフランスへ留学をしたいと言ってきた。 フランスの大学院の入学試験を受けるための受験勉強に集中したいからと、しばらく会えないと言われ、俺はそれを了承した。 以前から、フランス語の通訳の仕事をしたいと言っていたし、俺もそれは応援したいと思っていたので、急な話だなとは思ったが、特に不思議には思わなかった。 それから、1ヶ月を過ぎた頃に、久しぶりに会おうと言われ、外で食事をした。 千波が気に入っていたスペインバルの店。 食事の間は、いつもと変わりなく楽しそうにたわいもない話をしていた。 その時に、少し痩せた印象もあったが、千波の事だから、こんを詰め過ぎたんだろうと、深くは考えてはいなかった。 そして別れ際に、年明けから現地の予備校に通う事になったから、渡航の準備もあるし、またしばらく会えなくなると思うと告げられ、俺は頑張ってと見送った。     
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加