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「…どういたしまして」
なんでだろう、たったこれだけの会話の中で、寧々だけがひとり置いてかれてしまったような気分だ。疎外感とでもいうのだろうか。竜之介と晃太だけが分かっていて、寧々には理解できない何かが今確かに目の前にあった気がする。
見えない帳が、夜と一緒に寧々の前に垂れ下がっている。
昔はこんなこと、感じもしなかったのに。
(…別に秘密のひとつふたつはあるだろうけどさあ)
ただ少しだけ、少しだけそれが寂しかった。
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