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夜中にふと目が覚める。
隣で寝ている妻の手に触れる。
温かい。
ふと思った。
いつの日か、冷たい手を触らなければいけない日が来るのだと。
死は誰にでも平等で、だから、冷たい手に触れずに済むとすれば、それは僕が先に死んだ場合のことだ。
冷たい手に触れたくはない、だけれども、冷たい手に触れずに済むということはもっとしたくはない。
いつの日か、冷たい手に触れなければいけない日が来る。それを思うと、挫けそうになる。
けれども、少しでも長生きをしよう。
僕はあと何回、妻の温かい手に触れることができるのだろうか。
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