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「くっ....野郎、俺がイカサマしたって言いたいのか!?」
「いや、余はただ、その袖に隠したカードを見せてみよと申しただけだが?」
テケモンはディーラーに向けて、不敵に笑う。
だが、ディーラーはそんなテケモンの態度に怒りを表す。
「ふざけやがって!
おう、おめぇら、このスットコドッコイをふんじばって、奴隷商人に売り飛ばしちまぇ!!」
ディーラーは袖口のカードを見せる事なく、六人の強面をテケモンにけしかける。
「成る程、つまりイカサマしてたのだな?
ならば、もう容赦するまい。」
テケモンが、そう言いながら構えた。
しかし、その直後、テケモン達の眼前を風が通り過ぎる。
そして、その直後、ディーラー右袖が帯状に切り落とされ、袖に隠れていたカードが床に落ちた。
「見ていて見苦しいぞ。
さっさと認めたらどうだイカサマを?」
ブリサバが刀を鞘に収めながら、ディーラーに言う。
落ちたカードの絵柄は紅蓮の戦王。
最早、ディーラーがイカサマをしていた事は明白だった。
だが、ディーラーは自分の比を認めず、ブリサバに向けて叫ぶ。
「てめぇらグルだったのか!?
さてはてめぇら二人、賭博場荒らしだな!」
「やれやれ、見苦しい限りだ....しかも力の差も分からないときてる。
お前、その男に挑んだら間違いなく死ぬぞ?
俺に挑んでも同様だがな。
腕の一本も切り落としておくか?」
ブリサバは腰元の鞘より、二本の刀を引き抜く。
だが、その直後、テケモンがブリサバを制止した。
「御助力痛み入る。
しかし、ここは余に任せて頂きたい。」
「ふむ、この状況を治める術が他にあるというのか?」
「うむ、一応あるにはある。
ソテイル殿、どうか御頼み申す。」
「そうか、お前がそう言うのなら良かろう。
好きにすれば良い。
後、呼び方はソテイルでは堅苦しい、ブリサバでいいぞ?」
「分かり申した。
ではブリサバ殿、ここは余にお任せくだされ。」
ブリサバは無言で頷いた。
「ハハハッ!
何か知らないが、大バカ野郎だなオメェはよぉ?
一人でこの人数を相手に出来ると本気で思っているのか、全裸野郎が!?」
「うむ、問題無い。
我は王の中の王だからな。」
「何が王の中の王だ!
聖王にでもなったつもりか!?
聖王ゴッコなら、あの世でやりやがれ!」
「ふむ、ゴッコではなく本物の聖王なのだがな?」
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