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そこには全裸で佇む男が一人ーー。
考えるまでもなく、賭博でスッた事は明白。
それは正直、珍しい事ではない。
寧ろ良くある事だ。
しかしーー。
「お客人そろそろ帰ってくださいよ、あんた負けたんだからさぁ?
もう賭けるモンも無いでしょが?
邪魔だから、早よ帰った帰った!」
「一度や二度の失敗で負けたとは笑止な!
我は王の中の王テケモン、真の敗北とはこの命が尽きた時よ!
故に我はこの命を賭ける、いざ尋常に勝負!!」
「この野郎....そうかよ、分かったぜ!
ならテメェをさっさと負かして、その素っ首叩き落としてやらぁ!!」
それは明らかに無謀。
何故ならば賭博とは、イカサマこそが必然だからである。
つまり、イカサマを暴いてからでないと、本当の賭博は行えないのだ。
(この男、正気か?
こんな事で命を賭けるとは....本当に死ぬ気なのか?)
言うまでもなく、それは愚行。
しかし、テケモンと名乗る男は余程、自信があるのか臆する事なく、全裸のまま腕組みをしてディーラーを見下ろしていた。
まるで勝ちを確信しているかのようにーー。
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