ひまわり 憧れる

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ここは婦女子のくる所ではないと思いましたので」 ルバリエ氏は、今になってリーゼロッテに気付き、肩を震わせた。 「そちらのご婦人は?」 「うちのメイドでして」 途端に、耳に顔を寄せて口を開いた。 「フランチェスカは知っているのか?」 「勿論ですよ」 そこで、顔を赤らめて凄んだ。 「フランチェスカを泣かせるような真似をしたら」 解ってますよ。悪さしたらナッツみたいに割ると面と向かって言われてますので。 「ところで、宮廷中で噂になっているぞ。大栄達ではないか。俸給が上がるのはいいが」 語尾を濁した。泣きたいのはこっちなんですが。 「正直、今頭を悩ませています」 「そうか。そうなのだな。ならば得心がいった。エルネスト君、君は最近宮廷で起きた凶事を知っているか?エリュシダール公爵が何者かに暗殺された。それも、あまりに異常で不可解なやり方でだ」 まあよく知ってますよ殺ったの俺なんで。 「鉛の塊を、遥か彼方から恐るべき速さで撃ち放ったのだ。今、下手人を探ってはいるが何の痕跡も見当たらない」 ええ。確かに遠くからぶっ放しましたが。 「確か、御付きの文官もやられたそうですね」 ジョナサンは白々しく言った。
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