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麗しの松ぼっくり
美しい満月の夜。ハラクラーレの森に二人はいた。彼女の銀の弓と矢筒は、満月の光を受け、薄く光っている。
闇王麾下のダークエルフの群勢は進軍を続け、深緑の王都から二日の距離に到達していた。
「月の光。それが私達エルフの魔力を高めます。月光の結界が発動するまで、ダークエルフの進軍を食い止めねば」
「先頭には俺が立つ。これ以上、この森を侵させはしない」
ジョナサン・エルネストが、強い決意とともに言った。
ダルシネーア姫は胸のエルドアンのペンダントを握り締めながらジョナサンに目を向けた。
「良いのですか?仮にこの戦に勝利したとて、貴方には何一つ」
ダルシネーアの声を、ジョナサンが遮った。ダルシネーアの肩を抱くジョナサンは、いよいよ強い決意があった。ダルシネーアへの深い愛も。
「ハラクラーレの秘宝。それは、貴方のつがう銀の弓でも、エルドアンのペンダントでもない。貴方です。ダルシネーア、私を泥棒にしてしまった」
ダルシネーアは強く揺れた。
自身の肩を抱く温もりは、満月の光を超えて彼女を満たしていく。
「では、貴方は何も求めないのですか?黄金も、エルドアンの晶石も?」
「言ったはずです。
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