馬車は揺れるよどこまでも

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一つは著作権を無視した2次創作物の禁止、もう一つはこの、悍ましい腐れ展開だ!その後三百年だ!何を!どうとち狂えば、貴様のような馬鹿が出来上がるのだ!何がレビューだ!こんな物に魔王推奨!我が腐道に一片の悔いなしなどという貴様好みのアオリがつくと思うか!こんな物!刷り上がった瞬間焚書だぞ貴様!挙句にこの挿絵はなんだ?!何が悲しくて私が勇者に組み敷かれてこんな表情をカラーで晒さねばならんのだ!何だこの様は!貴様か?!貴様が書いたのか?!」 指差した先には、メガネをかけた大柄な生徒が立っていた。 「ずらずらと世迷言を!挿絵担当のブリュンヒルデ・レトナシワですわ!前から考えていたのです。百パーセント活字の小説では敷居が高い。一目で鑑賞可能な挿絵の可能性を追いかけていたのですわ!ですがどうしてもコストがかかってしまう!そこで考えたのが木版画でしたの!木版画なら活版印刷との相性もいい!活字と挿絵のコラボレーション!読者の視覚と妄想を刺激するキャッチーな世界に瞠目なさい!」 「ライトノベルではないか!市井がそんな文化を歓迎すると思うか!」 「そのネーミング、頂きました」 「うおおおおおおい!」 魔王が叫び、ブリュンヒルデが前に出た。
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