世界一美味しいカフェオレ

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「おっ やっと帰ってきたか。お帰り、今日は随分遅かったな」 (下を向いたまま玄関に立ち尽くす彼女) 「ん?どうした?そんな所で突っ立って。何かあったのか?…なんだよ下向いたまんまじゃ分かんないだろ?」 (肩を震わせたかと思うと瞳から雫が落ちる) 「えっ?どうしたのっ なんで涙流してるの?どっか痛いのか?なぁ…どうしたんだよ。わっ! どうした?突然抱きついて…。」 (声を掛けた途端しがみついて泣きだした) 「(溜息)…なんだよ?何があった?泣くなよ…。どっか痛い訳じゃないんだよな?…そうか。分かった。よしよし」 (戸惑いながらそっと声を掛ける) 「なぁ、こんな玄関先で泣いてちゃ落ち着かないだろう?取り敢えず部屋に入ろう。なっ?なんでしがみつくの?動けなくなっちゃうだろう?」 (そう声を掛けても動く気配はない) 「なぁに?話ならちゃんと聞いてやるから。なっ?ほぉらっ! 顔見せて。ん?なんでそっち向くの?顔見せてって言ったんだよ?こっち向いてごらん」 (今は顔見せたくないとごねる彼女) 「大丈夫。泣いても可愛いよ?君の顔はどんな顔も好きなんだ。だから…こっち向いて?泣き顔見せてごらん。…うん?…そう。ほらこっち。…何かあったんだね?こんなに泣いちゃって。大丈夫、僕はいつでも君の味方だよ。ほら座って」 (泣いたままの彼女を部屋に上げるため靴を脱がす) 「さあ、お嬢様。窮屈な履物は脱ぎましょうね。今は辛くて悲しい気持ちでいっぱいかもしれないけど、今日眠りにつく頃には今とは違う気持ちで眠れるように この爺やが魔法を掛けてあげますぞ」 (そんなの無理~っと泣く彼女に) 「無理じゃないよ。きっと元気になれる」 (本当?と泣きながら聞く彼女に) 「本当だよ。だって ほら、ちょっとだけ落ち着いただろう?さあ、向こうで何か飲み物を飲もう。何がいいかな?」 (涙を零しながらもおねだりしてくる) 「んっ?何?美味しいカフェオレ?俺に作ってもらいたいの?んーっ…美味しく作れるかな?…まぁ頑張って作るよ。ご注文承りました お嬢様。さあ、立って。ほら、 こっちに来て」 (手を引いて部屋に入る) 「お話し ゆっくり聞いてあげるから 着替えておいでよ。そんな服着てたんじゃ窮屈だろう?その間にこの爺やが世界一美味しいカフェオレを入れてあげるよ。だから、着替えおいで」 (大人しく頷き着替えに向かった)
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