1人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっ やっと帰ってきたか。お帰り、今日は随分遅かったな」
(下を向いたまま玄関に立ち尽くす彼女)
「ん?どうした?そんな所で突っ立って。何かあったのか?…なんだよ下向いたまんまじゃ分かんないだろ?」
(肩を震わせたかと思うと瞳から雫が落ちる)
「えっ?どうしたのっ なんで涙流してるの?どっか痛いのか?なぁ…どうしたんだよ。わっ! どうした?突然抱きついて…。」
(声を掛けた途端しがみついて泣きだした)
「(溜息)…なんだよ?何があった?泣くなよ…。どっか痛い訳じゃないんだよな?…そうか。分かった。よしよし」
(戸惑いながらそっと声を掛ける)
「なぁ、こんな玄関先で泣いてちゃ落ち着かないだろう?取り敢えず部屋に入ろう。なっ?なんでしがみつくの?動けなくなっちゃうだろう?」
(そう声を掛けても動く気配はない)
「なぁに?話ならちゃんと聞いてやるから。なっ?ほぉらっ! 顔見せて。ん?なんでそっち向くの?顔見せてって言ったんだよ?こっち向いてごらん」
(今は顔見せたくないとごねる彼女)
「大丈夫。泣いても可愛いよ?君の顔はどんな顔も好きなんだ。だから…こっち向いて?泣き顔見せてごらん。…うん?…そう。ほらこっち。…何かあったんだね?こんなに泣いちゃって。大丈夫、僕はいつでも君の味方だよ。ほら座って」
(泣いたままの彼女を部屋に上げるため靴を脱がす)
「さあ、お嬢様。窮屈な履物は脱ぎましょうね。今は辛くて悲しい気持ちでいっぱいかもしれないけど、今日眠りにつく頃には今とは違う気持ちで眠れるように この爺やが魔法を掛けてあげますぞ」
(そんなの無理~っと泣く彼女に)
「無理じゃないよ。きっと元気になれる」
(本当?と泣きながら聞く彼女に)
「本当だよ。だって ほら、ちょっとだけ落ち着いただろう?さあ、向こうで何か飲み物を飲もう。何がいいかな?」
(涙を零しながらもおねだりしてくる)
「んっ?何?美味しいカフェオレ?俺に作ってもらいたいの?んーっ…美味しく作れるかな?…まぁ頑張って作るよ。ご注文承りました お嬢様。さあ、立って。ほら、 こっちに来て」
(手を引いて部屋に入る)
「お話し ゆっくり聞いてあげるから 着替えておいでよ。そんな服着てたんじゃ窮屈だろう?その間にこの爺やが世界一美味しいカフェオレを入れてあげるよ。だから、着替えおいで」
(大人しく頷き着替えに向かった)
最初のコメントを投稿しよう!