幕開け

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息も荒くなり指先の感覚も無くなって頭もぼーっとしてきた。 「はやく…しなきゃ」 上手く動かない手を懸命に伸ばす。 カチッカチ 「えっ…」 カチカチカチカチカチッカチカチ 「は?なんでだよ…」 何回スイッチを押しても、押しても押しても押してもーー。 電気もストーブも付くことは無かった。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチッ、カチッ 「くそっ…くそ…」 幾度となくスイッチを押して、とうとう体に力が入らなくなった。 床に崩れ落ちるように倒れ込み、体の感覚も無くなっていき徐々に意識も薄れていく。 死ぬ時ってこんな感じなんだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『そんなことを思って完全に意識を手放した時に、目が覚めた。』 ーーメールでその話を聞いて、想像しただけでも嫌な汗と、寒気におそわれた。 こんな状況だからこそ余計に。 でも夢は夢。現実に起こることは無いとーー信じたい。 『正夢になるって言うことか?』 『いや、分からない。でも、関係ないと思いたくても思えないだろ…?』 たしかに太陽が活動を停止したら、徐々に寒くなり、電気も配給されなくなり、そこらじゅうが無法地帯となるだろう。     
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