2・包まれる愛

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2・包まれる愛

青い龍の国の蒼龍が龍王を訪ねてきた。 そして一つの報告を持ってきた。 人間界での新たな動き。 それは次の巫女選びである。 それは人間界からのある意味での生贄。 この世界に生息する他の生き物。 幻獣・魔獣・獣人・巨人・アンデッド。 それらから生き延びる為の生贄。 それをする事で、人間界は龍族から永い間守られてきた。 弱い人間はそうしなければ生きてはいけない種族。 新たなる龍の巫女の誕生。 それは永い間受け継がれし儀式。 いくら白龍という存在が産まれたとしても。 その習わしは途絶える事はない。 いや、途絶えさせる事は出来ない事実。 龍の理性を保たせているもの。 それは人間の遺伝子、血の存在。 野生の力だけでは龍族は滅んでいただろう。 それを繋ぎとめたのは、人間の豊かな感情。 表情豊かな、暖かな想い。 理性を力を得る為に、本能のまま昔から龍は巫女に子供を産ませていた。 か弱き者に宿る命。 それは種を絶やさない為の行為。
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