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「まじかよ……。確かにアイツの母親なら言いそうだな。俺のことも友達選べって言ってくるくらいだし」
「嫌な母親よね。子供は所有物じゃねぇっつーの」
「口悪いな」
「機嫌悪いからね。じゃあ先生の彼氏は先生のために別れることを選んだんだ。バカなのかな?」
その言葉に慎也はムッとした。
「その言い方はないだろ。彼女のことを思っての行動なのに。晴仁だって相当悩んだと思う」
「あのね、何のために付き合ってると思ってるの? 二人の問題だよ? 二人で決めるのが筋でしょう。それを相手のためにとか言って、勝手に自己犠牲してそんなのただの自己満足なんだよ」
「でもあの母親なら本当にやるかもしれないんだぞ? 誰だって自分のせいで好きな女に迷惑がかかると思えば身も引くって」
「だからバカだって言ってんの。それ誰も得しないって気付かない? 好きでもない女との結婚、愛されないのに結婚、好きなのに別れを告げられる、みんな不幸にしかなってないでしょ?
幸せなんてね、まず自分がそうでなきゃいけないのよ。自分が幸せで初めて他人の幸せを願えるのよ。そう友達に教えてあげたら?」
そう言って立ち去ろうとする亜美に、慎也は聞いた。
「じゃあどうするのが正解だって言うんだよ」
「……自分の幸せを優先すること? ていうか何が正解とかないし。男なら好きな女泣かせるなって話よ。それに失礼よね」
「失礼?」
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