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一本の街道をレイアスとレムは馬に乗って移動していた。
二人とも魔物を警戒しながら素材採取の目的地へ向かっていおり、今のところ異常はない。予定が狂ってメンバーが3人増えたこと以外は。
「レイアスは黒も似合うと思うけど」
イリスが言った。
「ないない!どこの悪の組織の隊員よ!」
ソフィは意見を一蹴した。
「そうでしょうか?私はそういう服装のレイアスさんも見てみたいです」
リーゼはイリスに賛成した。
レイアスの真後ろでは女性陣によるレイアスの服装チェックが行われているのだった。
なぜ3人が同行しているのかといえばレイアスがイリスに「明日はレムさんの素材採取を手伝ってくる」と告げたことが発端である。その素材がレム特製シャンプーの原料だと聞いてイリスの目の色が変わり、自分も手伝うと言い出したのだ。彼女も愛用する品の素材集めならぜひ手伝いたいと思ったらしい。
イリスだけなら問題ないかと彼は思っていたが、明朝になってみればイリスから話を聞きつけた料理人ソフィと神官長リーゼまで準備万端で待っていたのだから彼は仰天した。女性にとってシャンプー問題はそれだけ真剣なものということだ。
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