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「レイアスはいつも赤い服ばかり着てるけど、性格が出てるわよね。まさか服はあれしか持ってないの?」
ソフィが聞いた。
「違う服を着てるところを見たことないんだけど」
「ううん。他の服も持ってるって言ってた」
「どういう服をお持ちなんでしょうか?」
レイアスの赤い服についてあれこれと会話が聞こえ、レイアスは耳を押さえたくなった。
しかし、魔物の咆哮を聞き逃すわけにいかない。
その耳に魔物さえ恍惚となりそうなレムの声が届いた。
「レイアス、大丈夫?」
「問題ありません」
彼は返答した。何が、とは聞かない。
「後ろの連中にも変化はありませんか?」
「ええ」
後ろとはイリスたちのことではない。
彼らは街を出てから3名の騎手に尾行されていた。襲撃してくる様子はなく、ただ距離をとってこちらを観察するだけだ。
「襲撃してくれたらぱぱっと倒してあげるんだけれど」
「警戒しているんでしょうね」
2人だけで犯人を誘き出す予定だったが、こうも大勢で移動すれば相手が二の足を踏むのも仕方ない。ソフィは料理人だが自力で素材を採取できる猛者として有名であるし、リーゼも神官長として光魔法が使えることは誰でも知っている。
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