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ここで勘違いして頂きたくないのは、私は「立派な理由がなければダイエットしてはいけない」と言いたいわけではないということです。逆です。私が言いたいのは、
「形だけの立派な理由を付けていたらダイエットは成功しないので、ダイエットの理由では絶対に嘘をつくな」
ということなんです。
「二重アゴを解消したい」「あの子に振り向いてもらいたい」……他人には言えない、どんなにバカバカしくカッコ悪い理由であっても、それがその人にとって嘘のない本心からの切なる願いであれば、その人のダイエットは成功します。問題は理由の内容ではなく、その理由の強さなんです。
手っ取り早く結論から言いましょう。世の中の多くのダイエットが成功しない原因は、
「ダイエットよりも優先したいことがあるから」
です。人間は何も考えずに行動しているように見えて、実はちゃんと無意識のうちに損得を計算して、自分にとって最も幸せになるような選択肢を選んでいます。
例えば無差別通り魔事件などの犯人がよく「相手は誰でもよかった」みたいなことを言いますが、あんなのは大嘘です。だったら屈強な成人男性に向かって果敢に凶行に及んでもいいような気もしますが、大抵そういう無差別犯罪のターゲットになるのは女性だったり老人だったり、自分より弱そうな人だったりします。無差別とかいいながら実は全然無差別じゃない。何も考えていないようで、ちゃんと自分が損をしないように計算して行動しているんですね。
さて、ダイエット中のあなたの前に、美味しそうなケーキが現れます。その時、あなたの頭の中では無意識のうちに
「ダイエットに成功した時に得られるもの」
vs
「このケーキを食べた時に得られる快感」
のバトルが始まります。その時、ダイエットで得られるものがケーキを食べる快感よりも大きければ、あなたはケーキを食べません。あなたのダイエットは成功します。逆だったらあなたはケーキを食べ、そしてあなたのダイエットは失敗します。それだけのことです。
なんじゃそれ?とピンとこなかった方は想像してみてください。
例えばあなたが悪の組織に「1ヵ月後までに5kg痩せなかったら殺す」と脅迫されていたら、あなたはケーキを食べますか?食べませんよね。
じゃあ、「1ヵ月後までに5kg痩せたら10万円あげる」と言われてたら食べますか?今日くらいはいいかな、明日から頑張ろう、とちょっと意志が揺らぐでしょうか。
じゃあ、「1ヵ月後までに5kg痩せたら100円あげる」だったら食べますか?即刻食べちゃいそうですね。
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