真夏の夜の悪夢

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「ぐす……ひっく……修二のばかぁぁぁ」 「ちょ、声デカい! 近所迷惑ですから!」     「だってお酒飲んでくれないんだもん! 修二がー!」  どうやら舞は様々な上戸が代わる代わる現れるタイプのようで、急に涙目になると俺の名前を高らかに叫ぶ。 「分かりましたよ一杯だけ! 一杯だけ付き合いますから静かにしてください!」 「はーい! 了解です!」  舞はそう言って俺に敬礼し握ったままだった手を離すと公園の隅のベンチに腰掛ける。  そして俺に手招きをして、隣に座るように木製のベンチシートを叩き催促する。  言われるがまま隣に着席すると、舞から缶チューハイを無理やり手渡され渋々それを口に運ぶ。  買ってから結構な時間が経過していたのか、その生温さの中に焼酎やウォッカの辛味が溶け余計に酔いを誘う。  見れば、彼女がブランコのそばから持ってきた少し大きめのビニール袋には既に5、6本空き缶も入っており、自分が来る前にも相当飲んでいた事が伺える。 「大学生なんだ、ふーん。就職は決まったの?」 「ええ、先日内定が出て来年から社会人です」 「ふへへ~来年から私と同じ会社の歯車だ~ざま~みろ~」     
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