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「え~明日土曜じゃん! どうせ学生は休みでしょ!?」
「昼からバイトもあるし、ほらこれも冷蔵庫に入れないと……」
とっさに出た言い訳を聞き、舞は何故か急にキョロキョロと辺りを見渡す。
そして今度は俺のことをまじまじと見つめ、
「そういや、Tシャツにジャージでコンビニ袋ってあんたの家近いの?」
「ええ、まぁすぐそこですけど……ほらあそこに見えるでしょ?」
俺は暗がりの中にうっすらと見える自宅の玄関を指差す。
「ふ~ん、よし! じゃあ行きましょ!」
舞はそのままスタスタと玄関に向かって歩き始める。
突然、彼女が口にした言葉に俺は驚きを隠せず一瞬その場で立ち尽くすが、慌てて颯爽とアパートへ進む彼女を追い越して制止させる。
「いやいや、流石に部屋はダメですって!」
「何よ~Hな物でも散乱してるの? というか終電逃したか弱い女の子をこんなとこに放ったらかしにする訳!? ちょっと寝床くらい貸しなさいよ~!」
「そうじゃないですけど……男の部屋ですから!」
ポカンとした表情の後、「あんたに襲う勇気なんてあるわけないじゃ~ん」とまたケラケラ笑う。
別にそんなやましい気はこれっぽっちも無かったのだが、全否定されると流石に悔しい。
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