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「……うん」 「病人食を食えるなんて、滅多にないチャンスだからな」  悪戯っぽく言って、三度目の退室の要請は手振りだけ。  ずっと大人の彼に、敵うはずなんかない。目を瞑ってしまった丈の顔をそれでもしばらくじっと見て、静かに部屋を出る。もうすぐドラッグストアが開くから、まずは薬を買って、それからスーパーに寄ろう。卵粥にしようか、それとも野菜のおじやにしようか。  後ろめたいけれど、なんだか少し、楽しい。
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