回想

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「……葵、誕生日おめでとう!」  そう言って私の幼馴染にプレゼントを渡す。 「えっ! あ、ありがとう……夏樹」  彼はとても驚いた顔をしていた。  毎年恒例のようになっている家族ぐるみのサプライズパーティー。  それにも関わらず、いつも心の底から嬉しそうにしているというのはある意味すごいことだと思う。  実際、彼の喜ぶ顔が見たくて一生懸命プレゼントを考えるのだけれど。  彼の誕生日は8月の半ば、夏休みも中盤といったところ。  一週間以上前からソワソワし、次はどんなことをしようかと話し合いが始まる。  もはや私達の夏の恒例行事ともいえるだろう。  パーティーと言いながらも、花火をしたりと夏らしいことをやったりもする。  もう17歳になるというのに子供みたいにはしゃいで騒いでは笑っていた。  あの頃は、そんな日々がこれから先も続くと信じて疑わなかったっけ。  この先も同じように過ごせると、思っていた。  
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