一章 五幕 当たり前ではない王妃

5/6
前へ
/122ページ
次へ
 シャイアはぴたりと脚を止めると、珍しい物でも見るようにナタリアをしげしげと見詰めた。 「……陛下?」  何かまずい事をしただろうかという目でナタリアが見返すと、シャイアは破顔した。 「何でもないよ! さぁ行こう」 「はい」  何でも無いわけでは無い。むしろ、何でもありすぎる位なのだが、シャイアは口にしなかった。  ナタリアは王妃としてよくやっている。いや、よくやっている以上の拾い物だ。     
/122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加