一章 五幕 当たり前ではない王妃
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シャイアはぴたりと脚を止めると、珍しい物でも見るようにナタリアをしげしげと見詰めた。 「……陛下?」 何かまずい事をしただろうかという目でナタリアが見返すと、シャイアは破顔した。 「何でもないよ! さぁ行こう」 「はい」 何でも無いわけでは無い。むしろ、何でもありすぎる位なのだが、シャイアは口にしなかった。 ナタリアは王妃としてよくやっている。いや、よくやっている以上の拾い物だ。
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