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お弁当の代金を払おうとしたら「いらねェよ」って言われた。
それでもしつこく食い下がったら「貰うならカラスから貰うから良い」って言われた。
「綺麗な子は黙って奢られるもんだぞ?」
厨房の彼にまでそう言われたから、あまり食い下がるのもどうかと思い引き下がる事にした。
「ごちそうさまでした」って頭を下げると「食いっぷり最高だからまた見せてくれ」とアイドル笑顔を向けられて複雑な気分になった。
でも。
あたしが腰を上げたというのに、ハクは相変わらず雑誌を覗き込んでて一向に立ち上がろうとしない。
いや別に、いくらでも好きなだけ車を語り合ってくれれば良いんだけど、それはあたしをカラスの巣窟に送り届けてからにして欲しい。
そもそもあたしに1人でウロウロするなという条件を出したのはカラスたちなのに。
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