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それにさっきのあの空気を思い出すと、とてもじゃないけど1人で帰る勇気なんてない。
何よりもあんな空気にさせたのはハクなんだから、その責任は取って欲しい。
なのに。
「―――あぁ、先帰って良いぜ?俺もうちょい話して行くから」
立ち上がったあたしにようやく目を向けたハクは、とんでもなく無責任な言葉を吐く始末。
ちょっと!!冗談じゃないんだけど!!
ここへ来ていきなり放り出すの止めて欲しいんだけど!!
ギャングたちの餌食になるなんて真っ平ごめんなんだけど!!
……というあたしの心を読み取ったに違いないハクは、なのにあっさりあたしから視線を逸らすと再び雑誌を覗き込みながら続けた。
「もうアンタは大丈夫だから」
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