0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
まわれた理由がわからない千秋。
少し考えたが、すぐに気にならなくなりまた眠る。
千秋にはそんなことはもうどうでもいいのだ、思考回路の中に感情を深く考えることはなくなっている。
千秋には人間の三大欲求も、怒りや憎しみ、嫉妬などの負の感情も何もない。
ただただ無感情……いや感情がわからないと行った方が正しいのだろうか。
千秋には一瞬感情のようなものが出るが1秒も立たないうちにその感情は頭の中から消えてしまう。
だから千秋本人も何を思っていたのかわからないのだ。
千秋が寝ようとまた突っ伏した時、教室のドアが開けられて一人の女性が入ってくる。
身長は女性の中では少し低く、少しだぼっとした感じのセーターを着ている。
髪はロングヘヤーで染めているのだろうか茶髪だ。
そんな感じの女性が教室全体に声をかける。
「はいみなさん、私はこの一年E組の担任になりました九重銀です。早速ですがこれから入学式なので移動する準備してくださいね?」
ホワホワした感じの口調で、そう言ってクラスメイトたちを並ばせる。
千秋もその九重先生指示に従い並ぶ。
すると後ろの男子が声をかけてきた。
「よっ千秋」
「蓮二か」
千秋に声をかけて着た男子は背が高く、爽やかさのある男子だ。
名前は工藤蓮二、千秋の中学の同級生で千秋のその感情がわからないことも知っている。
「朝から眠そうだな」
「?……そんなに眠そうか?」
「相変わらずだな…まだ感情は戻らないのか?」
「ああ」
その千秋の言葉に少し残念そうな顔をするがすぐにいつもの爽やかな顔に戻る。
「しかしこれから入学式だし友達できるといいな」
「……そうだな」
蓮二の言葉に頷く千秋だった
最初のコメントを投稿しよう!