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「最初はキャラメイクからだな。日本サーバーで空いている場所は俺と同じ所だし、まっ! その辺は気にしなくていいわ! それよりもキャラメイクだぞ、孔明!」
「うん」
「キャラメイクは大事だからな? 特にスリキンはキャラメイクの幅が異常だから、選ぶのにすげー迷うぞぉ?」
オンラインゲームの最初の醍醐味と言えば、このキャラメイクといっても過言ではない。
キャラメイクによって種族や性別、体格や骨格、肌の色から顔の細部まであらゆるものを造り込み、世界でたった一つしかない自分だけのキャラクターを作ることができるこの楽しみといったら他にない。
だが、孔明は画面の上部にある自己投影システムを選択した。
デバイスに搭載されているスキャナーが孔明の顔を正確にコピーしてゲームのキャラクターとしてデフォルメ化してくれる。
孔明は自分そっくりのゲームキャラを見て、うなずいた。
「うん、これでいいかな」
「ちょ、ちょっ、孔明! そんな簡単に決めていいのかよ!?」
「なにが?」
「いや、お前キャラメイクって言えば、一時間や二時間は、いや! 時には一日二日悩みに悩み抜いてゲームが始められなくて困るくらい悩んで決定するのが常識だぜ!?」
「そうなの?」
「そうなのって……はぁ、まあいいや。この感覚はゲーマーじゃないと分かんないよな」
玄徳は寂しそうに呟いた。
「キャラメイクはひとまずオッケーだな。それじゃあやりたいジョブを選択してくれよ」
孔明は玄徳に促されて、選択肢を見つめた。
希望するジョブを選択してくださいという文字と共に、鎧を着た剣士や杖を持った魔導師などいろいろな姿をした人々が映し出されていく。
「基本このゲームは前衛と後衛に回復職がある。前衛はナイトとか侍、後衛はソーサラーとかガンナーだな。回復職もけっこう面白いぞ」
「どれが良いとかあるのかな?」
「んー、現状の環境だと前衛ならナイト一択かなぁ。後衛ならアーチャー、回復職はどれもバランス取れてるからなんでもオッケー。特殊職ならアサシンなんかも面白いなぁ」
「そっか」
孔明はド派手なエフェクトの剣技や魔法を使う色々なジョブの紹介を一通り観察する。
どのジョブもかっこが良くて装備も華やかで、ともかく派手なスキルや魔法を使っておりとても魅力的に見えた。
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