カミカクシ。

　…さて、俺の話はここで終いだ。そろそろ俺は自分の寝床に帰るとすっかな。
　……なんだよ、その眼。俺はずーっと前からちゃんと忠告してたぜ？夜中に家族に迷惑かけながら出歩いて、コンビニの前でタバコふかすのはやめとけってな。だから、早く帰っちまえば良かったのによ。
　座った縁石からケツも足も離れないって？
　足を誰かが引っ張ってる気がするって？
　頼むから見捨てないで助けてくれって？
　…お前さん、特別なんだろ？自分でどうにかできるんだろ？そうすりゃいいじゃねえか。

　これに懲りたらもう真夜中に出歩くなんざやめるこったな。
　あいつらは、夜の方がたくさん地面を這いずってるもんだからよぉ。

　まあ。
　もうお前さんにはそんな忠告、聞こえちゃいねーのかもしれんがな。