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「お前が行きたいって言わなかったら、今年の夏も、きっとダラダラとしたいつもの夏休みだったんだろうなと思ってさ」  背中を押されて海を渡る決意をしたのは、間違いなく幸樹の行動力が原因だ。  夢を見て、だから、それを叶える為に行動を起こす。  簡単なようで、難しい。 「オレも――――服飾業界の仕事なんて食っていけるのは一部だって聞いてたから、ずっと尻込みしていたけど……これ切っ掛けで、本気で考えてもいいかなって……思ってる」  径の言葉に、幸樹はニヤリと笑った。 「じゃあ、将来は一緒に仕事出来るようにしないとな! 」 「ああ」
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