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ここに来るまで滞在していた南国のメルディエル女王国では、王家の縁で部屋が広かったおかげで、だいたい本来の姿で過ごしていた。草原の天幕では流石に無理があるから、恋しいのかもしれない。
「あとでたっぷり埋もれさせてやるからそろそろ起きろ、レイ。エミリアかユイスが起こしにくるぞ」
それでもなかなか起きようとしないレイスに、ヴァルディースは肩を抱き寄せ、首すじに唇を埋めた。毛布の隙間からレイスの下肢へと手を這わせると共に、首すじに噛みつくようにきつく口付けの跡を残す。途端にぱちりと大きく目が見開いた。
「……っ!?」
間近にあるヴァルディースの顔を見てレイスはぎょっとし、顔を赤く染めて慌ててベッドの反対側へ転がり出ようとする。それを引き戻し、きつく背中から抱きしめる。
「何、してんだ、おまえっ!」
「もうすぐ誰かが起こしに来るだろうに、お前がなかなか起きないからな。俺とお前の睦まじさをみんなに見せつけたいのかと」
逃れようともがくレイスの反応が面白い。太もも撫で上げると、毛布の内でレイスの腰がびくりと震える。ヴァルディースの魔力をたっぷりと注いだ昨夜の名残で、レイスの身体は僅かな刺激にもとても敏感だ。
「昨晩あれだけしてやったのに、まだ足りなかったか?」
胸元を弄り、指先で突起を掠める。かっと首筋にまで朱が走る。
「ッーー!」
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