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あっ……ッと、思わず声が漏れてしまったよ。僕良く考えるとさ、宇宙人の彼女は、瀕死の重体なんだ。
だから僕が、労わり、看病をしてあげないといけないよ。それに身寄りのない美しい彼女を僕が命掛けで、外敵から守ってあげないといけないと思うのだ。
だから僕は看護目的で、自分自身の口にスポーツドリンクを含んだよ。
その後は、彼女の薄ピンク色した小さな唇に。そぉ~っと、唇を重ねて──口移しで、何度も『ゴク……』と、飲ませた。スポーツドリンクをね。
するとさ、彼女の荒い息遣いが、聞こえなくなった気がするし。寝息も「すぅ……すぅ……」と、落ち着いた音に変わったようだ。
だから『ホッ』と、安楽した僕は、慌てて車の室内灯を消すと。後部のドアを閉めた。
そして、運転席に回ると──慌てて鍵を差し込み、車のエンジンを掛けたよ。『ブルルゥ~ン』と、音を出しながら。真っ暗闇な、田舎の農協の購買部を後にしたんだ。
自分の住んでる町へと向かってね。
◇◇◇◇◇
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