第2話 目覚めてみると?

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〈バタン……。コテ……〉 「えっ、えへ、へへへへへへ……。はっ、はははははは……」 あああ、私の記念すべき、ファーストキスが、自身の記憶の無い間に終わってしまいました。 だから、あああ……。な、私でございます……。 何かしら体の力が全部抜けたような、脱力感に覆われた状態です今は…… 本当に何もする気も起きません……。 と、特に一樹、ファーストキスだけでは飽き足らず、私の肢体(からだ)を隅から隅まで観察して──そして濡れタオルで拭いて……。 その後は見るだけではもう我慢出来なくなり、ついついと間が差して私の胸に対して悪戯を少々したらしいのですよ。 だからですね、私の体は傷物になってしまって……。もうお嫁にいけない体になってしまいました……。 まあ、そんな、訳もあるので、一樹に先程責任を取ってくれと私は申したのですが、彼というか、主人は……。(キャ♪) 快く「良いよ、責任を取るし、愛してるよ──」と、私に述べてくれました。 だから私は、これからは夫に養ってもらおうと思うので、勇者の生業の方も、今日限りで引退──寿退社で、良き妻になれるように頑張りますね。 では、そういう事ですからこれからは幸せに……。 「お~い、お~い、あなた。起きてください、あなた、まだ寝てりませんか?」 『……ん? あれ? 一樹? 全然動きませんね?』 どういう事でしょうか、可笑しいですな? 「あなたー! あなたー! 起きてー! 起きてー!……あっ? く、首が……」 や、やばいです、一樹が……。ではなくて、夫の首が折れて虫の息なんです…… このままでは、本当に死んでしまいまから、どうしよう? 「…………!!」 あっ? そうだ!! よ、良く考えたら、私は、回復魔法も使用出来るのでした。 まあ、これぐらいなら、魔法を使用すれば何とかなりそうですから、今から夫に使用してみますね。 では、では、皆さんさようなら。 ◇◇◇◇◇ (30)
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