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だからどうしよう?
物の怪なら、神様助けてください……『南無……』
「うっ、うううううう……み、水をくれ……」
〈ガシャン……〉
えっ? ちょ、ちょっと待って?
僕神様に助けてくださいと、お願いしたけれど。な、何か良くは分からないけれど? あのさ、物の怪だと思っている者? 実は僕の背に倒れ掛けてきた……僕ね、もう、ビックリする。
……それに良くは聞き取れなかったけれど。た、多分ね、物の怪? 僕に水をくれと述べてきたと思うよ?
だから僕は、自分の背に寄り掛かっている者を。慌てて後ろを振り向き確認をしたら。なんと~、僕の背に寄り掛かっている者は女性なんだよ。だって、先程から聞こえてきたうめき声は、女性に低い声だと思っていたからね……だから尚更恐怖を感じたよ。だってこんな夜遅くに、人気もないこんな山奥の、農協の購買部の売店に女性が一人でいる筈もないし。それもうめき声をあげながらね。
……で、でも、後ろから僕に寄り掛かる女性……彼女の頬が僕の頬にもふれるのだけど。じ、実はね、体温があるんだ彼女には……だから不思議で、不思議で仕方がない僕──でもさ、このまま放置して逃げる訳にいかないし。もしも、物の怪ではなくて、本当に普通の人だったら大変だから、声を掛けてみるね。
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