本音と嘘

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依頼人紹介するんだった」 「先輩! 伝言は、 きちんと伝えましたからねぇ? じゃあ、 私、 仕事を途中で抜け出してきたんで失礼します」  休憩室の出入り口まで走り出していく杏奈の後ろ姿に、 あの日の美緒の後ろ姿が重ねる。 「……美緒さん」  ☆ ☆ ☆ 「……泉石。 お前、 1週間前から様子おかしいぞ!」  応接室で、 草津千里とテーブル越しに向かい合いあって、 依頼人の事を話していると、 突然草津が渚に、 仕事とは、 違う話を振ってきた。 「はぁ? 何言ってんだお前」 「だから、 お前なんか、 この頃、 仕事中よくぼっとしてるだろ?」  草津千里とは、 同期入社で、 年も同い年であると言う事で、 よく、 コンビを組まされ一緒に依頼を解決する事が度々ある。
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