本音と嘘

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「……草津。 ぼっともしたくなるよ。 同期が後輩とできてたら」 「……」  渚の口から飛び出した、 「茉莉川杏奈と自分が交際している」、 誰も知るはずのない発言に、 草津は、 言葉を失う。 「……草津。 君は、 隠してるつもりみたいだけど、 隠すなら、 もっと巧妙にやらないと、ここをどこだと思ってるの? 探偵事務所だよ?」 「……なんで、 僕が彼女と交際しているって解ったんだ?」  顔を上げ、 渚の瞳を真っすぐ見つめる。 「……草津。簡単な推理だよ 君達、 同棲してるよね? それも、 ここ最近?」 「あぁ。 昨日から同棲してるんだ」 「やっぱり。 さっき自分の事呼びに来た茉莉川さん。 彼女から、草津。君が、いつも持ち歩いている アロマの香水の匂いが漂ってたから。 だから、もしかしたら、 彼女と君は、ある程度の関係になっているんじゃあないかって思った訳」  渚は、 急に椅子から立ち上がり、 草津の耳元まで行き、 その場にしゃがみ込むと小さな声でそっと囁く。
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