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「……へえ? だったら、
これは……どう説明する気?」
草津の前に、
茉莉川杏奈の携帯のストラップに仕掛けたはずの盗聴器が、
自分の目の前に、
壊された状態で現れた。
「……」
草津の前に差し出されたのは、
まさに、
茉莉川杏奈の23歳の誕生日に草津がプレゼントした、
黄色いユリと白いユリがセットになったチャーム付き携帯ストラップ。
「……びっくりしたよ? これって、
盗聴器だよね? それも、
俺たちが普段仕事で使っている盗聴器をストラップに細工してるよね?」
「……」
草津は、
何も返す事ができない。
だって、
俺は、
あの日の泉石の言葉を疑いながらも、
彼女に、
盗聴器を仕掛けてしまった。
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