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「……これ、
どうぞ」
_ゾッと_ 背中に冷たい風が吹いた音。
草津に抱きついていた杏奈は、
周りが見えていなかった。
なので、
不敵な笑みで黒い花束を持ち、
自分の事を見つめている喪服(漆黒)姿の渚に全く気付く事ができなかった。
「……せんせ……」
手渡されたのは……いつの間にか追加したのか、
それともクロユリメインで見えなかったのか2種類の薔薇が追加された花束。
<白い薔薇:「純潔を失い、
死を望む」 黒赤薔薇:「死ぬまで憎む」「化けて出る」「憎悪」「恨み」 クロユリ:「愛」「呪い」「復讐」>
『……罪滅ぼしのつもりですか?』
花束を差し出したついでに、
杏奈の耳元に顔を近づけ、
悪魔の言葉を囁く。
『そんんそんなつもりは……』
渚の言葉を首を縦に振りながら強く否定する。
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