決意表明

12/16
前へ
/186ページ
次へ
だから、 邪魔者は居ない方がいいだろう?」 「せん泉石先輩!?」  外に出ようとした渚を今度は、 杏奈が引き止める。 「どうしたの?」 「あああの? 私……」  なかなか次の言葉が出てこない。 「あっ! 大事な事言い忘れててた」  外に出ようと踏み込んでいた足をうしろに戻し、 二人の元に引き帰ると、 そのまま杏奈の隣に座りこみ、 彼女の耳元に囁く。 『…杏奈ちゃん! 柿谷霧矢が本当に欲しいなら……正々堂々奪いにきなさい。 私は、 逃げも隠れもしないわよ? だって、 私は、 柿谷の妻ですから!』 「!?」  渚の悪魔の囁きに、 杏奈は、 言葉を失うと同時に、 意識を失ってしまった。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

135人が本棚に入れています
本棚に追加