略奪は、甘い蜜の誘惑

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「若草さん! 僕の事は、 渚と呼んで下さい! だって、 若草さんは、 あいつの妻になられるんですから!」 「なあああああああああああああああああ! 渚さん! 何言ってるんですか?」  渚の爆弾発言に、 樹里は、 周りに人が居る事を忘れて大声を出す。  それと、 大声で気が付いていないが、 渚の思惑通り、 樹里は自分でも気づかない内に、 渚に巧みに発言を誘導されている。  その証拠に、 さっきまで「泉石」と苗字で呼んでいたのに、 彼に、 「渚」と名前で読んで欲しいと一言言われただけで、 すぐさま呼び方を切り替えている。  普通は、 初対面、 それも得体知らない、 言ってる事が本当かもわからない人物の言葉を普通なら警戒する。
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