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『3日後!? ちょっと待って! それはさすがに早くないか?』
「……昴。
時間がないんだ」
『どういう事?』
昴が、
渚に意味を求めようとした瞬間、
電話口から何故かテレビの音が聴こえてきた。
{世界的デザイナーの文彦健二さまのご長男で、
自身もプロのデザイナーとして日本のみならず、
世界で活躍なされている文彦和也様がこの度、
ご婚約を発表されました}
「…この男に、
美緒さんは、
売られてた。
それも、
お金の為に……」
『…』
渚の答えに言葉を失う。
渚が、
このまま岡宮永輝から彼女を奪い取っても、
彼女はこいつの者にはならない。
そんなの間違ってる。
こいつは、
6年間。
ずっと、
恋人である古閑美緒を待ち続けた。
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