略奪は、甘い蜜の誘惑

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「若草さん? 大丈夫ですか? これ、 飲みますか?」  渚は、 手にしていた黒いバックから、 最初からこの状況を見込んでいたのか、 ペットボトルの水を差し出す。 「だいだだだだ大丈夫です!? ちよっと暑くて」  わざとらしく両手で顔を仰ぐ。 「そうですか? でも、 気を付けて下さいね? 若草さんになにかあったら、 岡宮が悲しみますよ? あいつああ見えて、 女性の涙にもろ弱いんです。 あんな男勝りな性格してるくさに」 「……そうなんですか?」 「はい。 だから、 あいつに、 結婚式の招待状を貰った時は、 驚きましたよ? だって、 岡宮の奴そんな素振り一瞬も……」 「ちょうつううううううううううちょっと待って下さい!」  後の言葉を言おうとした瞬間、 樹里が驚きの声を上げながら割って入ってきた。
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