略奪は、甘い蜜の誘惑

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「そうですか。 でも、 まだ、 顔が……」  渚が、 心配そうに自分の顔を覗き込んでくる。 「渚さん! 本当に、 大丈夫ですから!? それより、 永輝さんから貰った招待状、 今、 手元にありますか? あるなら私、 見てみたんですけど?」  自分の気持ちを落ち着かせるために、 話題を強引に切り替える。  すると、 渚は、 おもむろに黒いバックの中から、 白いユリと白い蝶がデザインされた一通の封筒を取り出し、 樹里の前にそっと差し出す。 「丁度、 招待状の返事を出しに行く所だったのでよろしければどうぞ」  勿論、 招待状など存在しない。  これは、 渚が、 樹里に見せる為だけに作成した偽物。
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