略奪は、甘い蜜の誘惑

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 勢いで、 渚に飛び掛かった事を詫びる。 「若草さんは、 何も悪くありませんよ? で、 若草さんは、 あいつから婚約指輪は貰ってるんですよね?」 「……」  樹里が、 顔を下にうつむけたので、 渚は、 演技とばれない程度に驚く。 「まさか、 それすら貰ってないんですか!? 自分には、 恋人ができたって自慢してた癖に。 若草さん!?」 「なななななぎさ!」  渚が、 突然、 樹里の肩を掴む。 「若草さん。 これ、 あいつの家の住所です。 いまから会いに行きませんか?」 「ええええええええええええええええええええええええ! そんなのできません! それに……」  突然自分の手に差し出された岡宮永輝の住所に、 樹里は心の感情が追い付かない。
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