最終章:僕は、君を略奪する。

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渚の草津千里への本心が知りたかった。  草津千里は、 恋人である茉莉川杏奈に裏切られ自ら命を絶とうとした。  でも、 彼が、 自殺する寸前の所でクロユリの花束を持った渚が、 自殺を食い止めた。  自分には、 草津千里に肩入れ過ぎだと言っていたのに、 渚は、 彼を自ら助けた。  だからこそ、 渚の本音を知りたい。 「…昴。 俺は、 人の弱みは握るけど、 人を殺めたりはしない。 俺の目的はあくまで、 岡宮永輝から美緒さんを奪う事。 だからこそ俺は、 余計な人間をこっちの都合に巻き込んだりはしない。 そうだろう? 相棒」  相棒=この言葉こそ、 まぎれもない渚自身の本心。 『あぁ!』 「昴。 ファイナルゲームを始めよう? そして、 僕は、 君を略奪する」 ★★ 「いらっしゃいませ!」 「えっ!」  若草樹里は、 岡宮永輝に昨日、 結局プロポーズをしに行かなかった。
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