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「そういう事。
お前には、
この男について調べて欲しい。
そして、
この映像を送り付けろ」
『こんなのいつ撮ったの?』
「撮ったんじゃない作った。
岡宮永輝に送りつける為に作った映像の試作品」
『あぁ! それなら、
彼も信用するかも』
「だろ? なんせ、
自分の婚約者が、
違う男性と体が密着するまで抱き合って、
何度も唇を重ねあってる映像。
自分だったら、
速攻婚約破棄する」
『……俺、
なんかドキドキしてきた。
これ、
作った割には、
リアルすぎないか?』
「だって、
実際の映像を加工してるんだから、
リアルにもなるよ。
これぐらいしないとあの男から美緒さんは奪わえない」
『……本当……えげつないな』
「ありがとう。
褒め言葉として受け取っておくよ。
じゃあ、
頼んだ事お願い」
『あぁ! 渚、
最後に訊いてもいい?』
「なに?」
『文彦和也は、
どうやって美緒さんを知った? 彼、
有名なデザイナーなんだよね? なんで、
そんな男が小さな町の小さな広告会社に勤める彼女を婚約者に選ぶ訳?』
昴には、
世界的デザイナーの文彦健二の長男である文彦和也が、
田舎町の小さな広告会社で働く、
彼女を知る訳がない。
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