最終章:僕は、君を略奪する。

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『君は、 岡宮永輝から美緒さんを奪い取ったら、 勿論、 美緒さんと結婚するんだろう?』 「…昴。 君は……今まで、 一体何をしてたのかな?」  ☆☆  思考から復活した樹里は、 自分の左手の甲にキスをしてきた男性の顔を確認する。  同時に、 左手の薬指に嵌められた指輪が目に入る。 (えっ! この人既婚者!) {……若草樹里様。 お待ちしておりました) ★★ 「ここは? えっ!」  さっきまで、 私は鳴海坂昴と名乗る男性に、 甘い言葉をささやかれてと思ったら、 急に左手の手の甲にキスをされた。  そしてその行動にしばらく動けず、 やっと動けるようになったと思ったら、 今度は、 自分の名前を呼ばれ、 理由を尋ねようとしたら、 目の前が暗くなって、 再び、 明るくなったと思ったら、 さっきとは全然違う場所に立っていた。
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