最終章:僕は、君を略奪する。

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を絶とうと思った。  あの男の裏切りさえなければ……僕は、 君に、 「おめでとう」と素直に言えたかもしれない。  僕は……君が幸せなら、 いつでも君の事を諦められた。  でも……いまは、 君をあの男から、 略奪しようとしてる。  そんな僕を、 君はどう思うだろうか? 悪魔? それとも…… ★★ 『……昴。 最後の仕上げよろしく』 『……君は、 会いに行くんだろう? 美緒さんに』 『あぁ! もう僕を邪魔するものは誰も居ない』 『渚ちょっと待って!』  昴は、 電話を切ろうとした渚を、 自分でも解らない内に、 引き留めていた。 『なに?』  案の定、 引き留められた渚からも、 疑問の声が聴こえてくる。
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