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「昴。
僕ねぇ。
美緒さんが幸せなら、
もう、
辛くなるだけだから忘れようと思った。
だけど、
あいつは彼女を裏切った。
それも、
一番やってはいけないことをした」
「あぁ!」
昴の脳裏に、
あの時の映像が鮮明に浮かびあがった。
「そう。
君に見せたあの映像、
あれは、
奴の不倫現場を捉えたもの」
_ゴンゴン_
「渚!」
急に渚が、
テーブルを叩き始めた。
それも何度も何度も。
「何してんだよ!」
昴は、
慌てて渚の拳を掴む。
「離せ!」
強引に離れようとしても彼の力が強くて離れることができない。
「離せない。
渚! 君は、
6年間、
彼女を待ち続けたんだろう?」
「そうだよ」
「それは、
6年たった今も変わらない?」
拳を掴んでいた昴が、
突然真っすぐ渚の顔を見つめてきた。
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