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「これが・・・清洲の町か・・・」
あれこれと荷物を背負った若者が辺りを見渡しながら、ぼそりと呟いた。
農民なのか・・・商人なのか・・・はたまた武芸者なのか・・・
よくわからない・・・ちぐはぐな格好をしている。
清洲の町は、活気に満ちあふれていた。
「楽市楽座」・・・
尾張の統一したばかりの織田信長が推奨し実施されたばかりの制度である。
若者は背負子を降ろすと、路の隅に筵をひいてあれこれと物を並べ始めた。
上手い具合に、背負子を座椅子に変形させそれに胡座に座り道行く人々を眺める。
(この時代に、流されて・・・実際問題何が売れるか分からないから・・・適当に作ったが・・・)
少年はそんな事を思いながら道行く人々を眺める。
そんな彼は・・・何の因果か・・・
現代から、戦国の世に転生してきたのである。
そんな彼は戦国の世に転生するにあたり、神から様々な能力を与えられたのである。
彼は転生すると直ぐに、山に籠り神から与えられた能力を使い様々な物を作り今こうして、それを売ろうと清洲の町にやって来たのであった。
転生時に与えられた持ち物は、鉈一本と取り敢えずこの時代に合う
であろう着物のみである。
したがって・・・先立つ物はやはり銭であろうと言う考えに至ったのである。
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