夜だから、逢いたい。

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 真夜中にディスプレイが光る。 「あいたい」だけの簡潔な気持ちを捉えて、冷たい夜へ駆け出した。 「会いたかった?」 「会いたかった。」 誰も許さないこの関係を背負って歩く。 少し丸まった背中を、灰色の雲越しに月が見ていた。 眠らない街の中に、眠れないこの気持ちを預けて。 僕は今夜も、君の隣に溶け込む。
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